二の腕太もも細くするクリアボス

コーヒーブレイクになるようなトピックをお届け。とりあえず心の浮動点(フロート)は解除して前を向こうか。

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りりりん。

すずやかに響くその鈴の音は心地よかった。


その鈴は、どんな色に輝いていたのだろうか。
今となってはもう、思い出すことすらできない。

この身がおぼえているのは、愛されていたという実感だけだ。



過去の幸福というものは、記憶がおぼえている。
おぼえている過去の幸福ほど、
かなしいものはないのではないか。



「月」の軌道上から離れた僕は、
引力にひっぱられた「運命」に因り、「鈴」の殻にとじこもった。


パズルピースがかみ合うように、僕と「鈴」はひとつの未来を象っていた。

たとえ永遠に「夜」でも、幸福でさえあれば、いいのではないか。
僕は自転車で「鈴」を送る日々を重ね、
いつしか、しだいにそう思うようになっていった。



概年リズムを乗り越え、「鈴」の殻にとじこもった僕は、
その「今、まさに在る幸福」を守ろうと決めた。

「鈴」の奏でる音色は、僕にやさしく、うつくしく、
それに応えようと、できるだけのことをしてきた。


「鈴」を守る世界がはじまってからしばらく。



僕は考え続けた。


これは「運命」なのだと。


「運命」??



森羅万象のあらゆるすべての末路が、あらかじめ決められているのか??



「運命」というのは大河に似ていると、昔からそんなイメージがあった。

そういった点では、「運命」というものの存在だけは信じている。



ただ未来の方向へ流れ続ける水の流れ。
いやおうのない、
水の流れ。

おおいなる、流れ。






流れ。






その流れにただ流される「運命」。













僕の中の、ちいさなくすぶりが…疑問に転じた。

流されるだけの幸福な人生に、意味なんてあるのかと。

敷かれたレールを走るだけの無機質な列車なのかと。

ただ手渡された台本を棒読みするだけの腐れ役者なのかと。

「月」が欠けてゆくときに、必死にすらなれなかった自分のままでいいのかと。

「太陽」へ手をのばした無謀ともとれる勇気を忘れ、

幸福に漬かったまま、きれいな音色のそばでのうのうと過ごす…

そんな生き方でいいのかと。






そしてついに、
僕を照らしてくれる「光源」を、
とじこもった「鈴」の内側には見出すことができなかった。




…僕は、



「運命」に抗うことを決めた。



ただひたむきにがむしゃらに。

「運命」と呼ばれるスベテに抗うことに、決めたのだ。

そう決心がついたとき、

カチリ、
カチリ、
ちいさな綻びの音色が、ひとつの歯車を起動させる。

カチリ、
カチリ、
その音は、僕と「鈴」のあいだに忍び寄り、

ある日ぺしゃりと「鈴」を潰してしまう。




僕はもともと狂っていた歯車を、そうやって無理に動かした。
結果、

軋んだ関係はあっけなく潰れてしまう。



延べ3年という年月が、あっけなく。



互いの生きていく方向が、ほんのすこし、すれ違った。
それだけのこと。
それ自体は、よくある話だ。




結婚の先まで考えて真剣に考えていたが、もう戻れなかった。
ただ、
けっして、
僕のエゴだけで別れたわけではないこともここに記しておく。


関係が潰れて気づいたことは、
本気で愛されていたんだという、後悔にも似た切なさと、





感謝のきもち。






僕はあの歌を今でもたまにうたう。
過去を忘れないために。

確かに愛してくれていた「鈴」の音を、
僕も確かに愛していた。











ひとは、失ったものにしか気づけないのだろうか。
そんなに愚かでは無いと、信じてみようと思う。

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